2004年11月 つみっくで初めて建てた作品です。
当時はこの木製ブロックで本物の建物ができることにたいていの方が懐疑的でした。
「おもちゃのプラスティックブロックみたいに建つんだと言われてもね~。」
という受けとめかたが一般的でした。
自宅敷地に余裕があったのをさいわいに10㎡の実証棟を素人5人で建てました。
松江市の建築指導課へ事前に図面をだし、事情をお話ししました。
外装を不燃材料であるサイディングボードで施工することを条件に認めていただきました。
基礎工事、屋根工事とシャッター工事とはプロにお願いしました。
日暮れのはやい冬場の休日、土台をすえて屋根パネルをのせるまでの組上げは1日で終了しました。
取材のひとやバックアップしてくれた友達、おおぜいのギャラリーに見守られての工事でした。
無事におわったお祭りのような一日でしたが、その前後が大変です。
書店員としての昼間の仕事があるなかで足場を準備し、サッシをとりつけ外装材をはりつけ内装をしあげる。
天気のわるい山陰の冬です。晴耕雨読ならぬ晴外雨内、土日返上のひとり作業がつづきました。
なんとかクリスマスまでに完成が間に合いました。基礎工事から完成まで45日。
この実証棟工事からおおくのことを学びました。
特に感じたのが初めて使うサイディングボードの施工のむつかしさです。
重たく、割れやすい材料はひとりでこつこつ進めるセルフビルドには不向きだと思いました。
それから足場の手配ひとつとっても 身近に建築関係のアドバイザーがいてその手配を
してくれたりするとたすかります。
ぶらっと覗きにきてくれて親身に技術サポートの相談にのってくれた専門家に助けられました。
素人工事にはお金をはらってでもそんな存在がかかせません。
逆にいえば今回感じたいくつかの困難を解決できるビジネスモデルであれば
家を手作りしたいと思っているひとびとから感謝していただけるとも思いました。
工事参加してくれた吉岡さん、井上くん、小西くん、堀くん本当にありがとうございました。
そしてさまざまな場面で助けつづけてくださる多くの友人たちと家族に感謝いたします。
仲間の夢と期待でパンクしそうな小空間がなんとかできあがりました。
「新工法の実験棟であることを地元の建築指導課にご理解いただき特別の許可を得ることで建設できました。」