シミュレーションシステム(開発中)とは?

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ヴァーチャル建築・設計・見積システム

建築工事を発注された方であればその見積書の分かりにくさに当惑された経験をお持ちだとおもいます。
中でも「○○工事一式」が多用され、その工事内容に占める材料費・人件費・粗利益・経費等が不明確で、工事費用の妥当性を判断できないことが多々あり、このことも日本人の「建築はプロのもの」という意識を醸成する一因となっています。

またセルフビルドとひとくちに言っても、設備工事を筆頭に基礎工事や危険度の高い屋根工事などは素人には難しいので、専門業者に外注することになります。
これらの点をふまえてインターネットを用いた図のようなヴァーチャル建築システムを開発中です。

シミュレーションシステム概要図
つみっくを用いて建物を作る流れview

主に望める効果

  • 誰でも3Dで視覚的に家を設計できる
  • 設計した家から自動的に見積もりをたて、建築時間の計算を行う
  • 立面図・平面図を自動的に作成する
  • インターネット経由でどこからでも家の設計ができる。
  • ブラウザ以外の特定のアプリケーションを必要としない

シミュレーションプログラムはオープンソースにします。幸い100 mmモジュールブロック工法であることはデジタル処理に向いているので,将来は次に述べるようなシステムを目指しています。 システムは設計部,費用計算部,データベース管理部,立面図・平面図作成部で構成されます。 下図に全体のシステム構成図を示します。

家の設計部分

Java Applet + Java3Dを用いてシステムを作成。 これにより簡単で安全にインターネットを通してシステムを利用できる。 見積もり、施工時間の計算

PHP+MySQLを用いて計算システムを作成。 立面図・平面図の自動作成 Java3Dで設計した家のデータから自動的に作成、表示できるようにする。

具体的にはメーカーの管理するサーバーに登録を終えたユーザーが下図のように,パソコン3D画面上に建材パーツをマウスのピッキングで積み込み,架空の建物をシミュレーション建設します。

つみっくでの建築例の図
つみっくを用いて建物を作る流れview

建材パーツは建築順,アイテムごとに提示されユーザーはその中から必要なパーツを選択します。パーツにはそれぞれ価格,施工時間,寸法情報などがあらかじめ入力してあります。

ヴァーチャル空間に組み込まれた各パーツはそのデータが更新ボタンひとつで演算され大まかな価格・工数見積情報が素人でも入手可能となります。

3次元データからは2次元データも簡単に取り出せるので素人には今まで製図できなかった各種建築図面も簡単にプリントアウトできるようになります。これらは各専門業者への工事発注と価格交渉のときに威力を発揮します。

セルフビルド支援システム

ユーザーが実際の建築を行うときにはサーバー管理者より推薦された地元の設計事務所・工務店(工法代理店)に建築確認申請作業、強度計算および現場管理を依頼します。

この時点でユーザーは代理店の助言を仰ぎ建築基準法に準拠する仕様に設計を変更する場合もあります。また代理店からは専門工事業者の紹介も受けられます。

施主の希望があればサーバー管理者は工事地周辺に住む他のユーザーにBCC等の手段で工事への無償労働参加を呼びかけます。面接の後,施主ユーザーは工事参加者を選定し安全対策,食事,駐車場,傷害保険などを準備します。

代理店の監督下で素人集団が躯体工事・屋根がけ・外装までを一気に完成させます。一方,無償労働工事参加者はこの工法の建築予備軍と捉えることができます。彼らにとって工事参加はリアルな経験となり,現場は自らの工事に向けてのいわば「施工実習教室」となります。

ここに示した工法を媒介として建築を相互扶助する「結い」のようなコミュニティが全国各地に自然発生することも開発者のねらいです。